高知東クリニック

脳外科・内科 高知東クリニック│高知県南国市篠原161番4

医療コラム

2019年7月

脳画像検査の選択には理由があります

患者さまが「ある病院を受診したら、コンピューター断層撮影(CT)しか撮ってもらえなかった」と不満を漏らすことがあります。これは磁気共鳴画像装置(MRI)が必ずCT検査より優れているという誤解からきています。CTは出血診断に強い、数秒から数十秒の検査で、血管描出には血管内に造影剤注入が必要です。MRIは数分から数十分の間、比較的静止した状態で造影剤なしに動脈瘤(りゅう)や血管狭窄(きょうさく)など、血管病変までの診断が可能です。

例えば慢性的頭痛や時々出現する頭痛ではMRI検査を優先しますが、いつもと違う強い頭痛やじっとしていられない頭痛では、くも膜下出血など頭蓋内出血の有無を見る目的で頭部CTを優先し、緊急治療の必要性を判断します。頭部の打撲で受診した患者さまにも外傷性頭蓋内出血を否定すべくCTを優先するケースが多いです。これに対し、まひや言語障害、しびれ、物忘れなどの症状があるものの、比較的じっと検査が受けられる場合は、脳梗塞や腫瘍らの有無を評価する目的でMRIが優先されます。医師側も患者さまに説明して検査することが求められています。

 

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